メニュー
要求管理の必要性と要求管理ツールRaQuestについて

はじめに

このページでは、ソフトウェア開発における要求管理の必要性と要求管理ツール RaQuest(ラクエスト)で表示できる関係図・マトリックス図と統計情報の説明を致します。 また、RaQuestの機能や関連情報へのリンクをまとめています。

要求管理の必要性

要求管理(要件管理)は、カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が開発した「能力成熟度モデル統合(CMMI)」の エンジニアリング領域の中でも、基本となる成熟度レベル2として定義されているほど、基本的で重要なプロセスです。

要求に関する活動は、主に「要求開発」と「要求管理」の2つがあります。この2つは密接に関連していますが、 別々の作業内容です。 CMMI のレベル2では「要求管理」をまず押さえ、レベル3で「要求開発」について扱います。 それほど、「要求管理」はプロジェクトに対して重要かつ基本的な活動であるということです。

また、さまざまなところで、言われていますが、プロジェクトの失敗の原因の約半数は、要求に関するものといわれております。 そして、要求での問題の修正は、プロジェクトの後工程になるほど、コストがかかるというのは明白な事項です。

要求管理を行わないと、どうなるのかというと、以下のようなことが発生します。

  • 作業の手戻りが多発
  • 要求と異なる成果物を作成
  • 変更要求が多発
  • 開発スケジュールやコストの問題が発生
  • 無駄な作業が発生
などなどが発生します。

では、要求管理は何を行うかというと、以下のような事を行います。

  • 要求の属性管理
  • 要求の変更管理
  • 追跡性(トレーサビリティ)の管理
  • 要求のバージョン管理
などを行います。

現在のプロジェクトで要求管理が行われていても、専用の要求管理ツールではなく、普通の表計算ツールなどで行われていることが 多いのではないでしょうか? しかし、普通の表計算ツールでも管理はできますが、「非常に手間がかかる」「要求の更新履歴の管理」「多数の要求を扱うのが困難」 「作業する要求を見落としやすい」「全体像や文脈が分かりづらい」などの欠点があります。 さらに、要求管理において重要なトレーサビリティの管理が困難」という大きな欠点があります。 要求管理には、これらの欠点がない要求管理ツールを是非使ってください。

しかし、要求管理ツールを導入したからといって、それだけで要求管理ができるわけではありません。 要求管理ツールは要求の内容まで認識して動作するわけではないからです。 ですので、要求管理ツールを導入すると同時に、適切な要求管理プロセスと共に、要求管理ツールを利用することが重要です。 その際には、要求管理プロセスのコンサルティングを行っている会社もありますので、活用することもよいでしょう。

参考文献

  • プロジェクトを成功に導く土台として「要求管理ツール」を導入すべし 技術評論社 SoftwarePeople Vol.8 P180-183
  • 図解 はじめてのCMMI(SM)とプロセス改善 橋本隆成 著 日刊工業新聞社
  • ソフトウェア要求ー顧客が望むシステムとはー karl E.Wiegers 著 日経BPソフトプレス
  • 要求開発と要求管理ー顧客の声を引き出すにはー Karl E.Wiegers 著 日経BPソフトプレス
  • ソフトウェア要求管理ー次世代の統一アプローチー Dean Leffingwell/DonWidrig 著 ピアソン・エデュケーション

関係図とマトリックス図
ここでは 関係図とマトリックス図の簡単な説明を行います。 関係図・マトリックス図共にトレーサビリティを可視化した図です。

関係図(影響範囲図)

関係図は、一つの要求に着目し要求と要求の関係を図示したものです。 この図の中の矢印の方向は依存の方向を表しています。 上記の図の場合、要望002 は要望001 に依存しているとなります。 依存の方向と逆方向を影響の方向と考えるため、要望001 は要望002 に影響を与えるとなります。
要求の色は、赤はこの関係図を作る対象とした要求で、この要求の影響を受ける要求がすべて図に入ります。 緑は再検討が必要とフラグが立っている要求で、まだ検討をする必要がある要求です。

以上から、この図からは以下の2点が分かります。

  • 要望001 を変更すると要望002,003 要求005,006,008,009,011が影響を受ける
  • 要求011 は、まだ再検討が必要
このように関係図からは、一つの要求の変更の影響範囲が分かるため、個々の要求のインパクト分析に役立てることが可能です。

マトリックス図

マトリックス図は、要素を縦と横にならべ、関係を格子状に表示したものです。 上記の図は要求とユースケースの関係を表示したもので、他にも要求と要求・要求と担当者・要求とUML要素のマトリックス図を表示することが可能です。 ここでの矢印の方向も依存の方向で、反対方向が影響を与える方向です。 (古いバージョンで、矢印が逆方向の表示になっているときもありましたが、最新版(ビルド035から)は上の図の表記になっております。)

    (例:
  • 「とある機能」という名前のユースケースは002,003,004 の要求に依存。
  • 002 用語の種類の選択肢を増やしたい」は用語の種類の選択肢を増やしたいというユースケースと「とある機能」というユースケースの二つに影響を与える。

関連がない要素について、色付け(赤色)することができます。 この機能を使うことで、要求がない実装や要求があるのに実装されていないということが、一目把握可能です。

このようにすべての要求がきちんと実装されているか・要望がないのに実装されている機能があるか、など、カバレッジ分析に役立てることが可能です。

影響分析について

上記のように、影響の分析(インパクト分析・カバレッジ分析)の役に立つ様々な表示が可能です。 これ以外の要求の追跡機能については「要求の追跡」のページもご覧ください。
統計情報

統計情報

現在の要求状態数の測定ができます。 要求の個数・検討完了数・承認済み数・関連の数・種類別の数・状態別の数などが表示できます。 また、過去の状態数を履歴として持つことも可能ですので、要求の数の変化を表示することが可能です。 この要求の数の変化を使うことで、現在のプロジェクトの状態を類推することに役立てることができます。

RaQuest について

機能

RaQuestは要求管理をより効率的に行えるようにするためのツール(要求管理ツール)です。 トレーサビリティを可視化するための図や影響の分析に役立つ表示だけではなく、 効率的に要求管理を行うために、主に以下のような事を可能にしております。

これ以外の主な機能につきましては、 RaQuest の機能 のページをご覧ください。

適用可能プロセス

特定のプロセス(要求管理プロセス・開発プロセスなど)には依存していないため、どのようなプロセスを行っている組織にでも利用可能です。

価格

RaQuest の価格の詳細については、「RaQuestの価格について」のページをご覧ください。

注:RaQuestはモデリングツール Enterprise Architectがないと動作しません。 詳細については「Enterprise ArchitectはもっていないがRaQuestを新規導入するには」のページをご覧ください。

評価版

RaQuest の評価版は、「RaQuest評価版のダウンロード」ページからダウンロード可能です。

お問い合わせ

RaQuest に関するお問い合わせは下記 sparxsystems.jp ドメインのお問い合わせページからお願い致します。
スパークスシステムズ ジャパン お問い合わせページ

RaQuest 関連情報

RaQuestに関する他の情報は以下のページをご覧ください。

© 2004-2024 Sparx Systems Japan Co., Ltd. All rights Reserved.
何かお気づきの点がございましたら、support@sparxsystems.jpまでお願いします。